理事長より

ルリアン開設にあたり  ルリアンを利用する皆さんへ


「ル・リアン」開設にあたり


 この計画は、近年増えてきている知的障害を伴っている自閉症の子供たちが将来に亘って、現代社会で生きていくことを保証する場の必要性を感じ、賛同する関係者とともに、社会福祉法人の設立と成人施設の建設を国・岐阜市に要望し、平成29年3月24日に認可されました。認可された社会福祉法人と施設は、計画のように知的障害を伴った自閉症の人が主な利用の対象となりますので、現実として自閉症援助施設といえます。

 私達の障害者福祉、障害者支援の基本的考え方は、障害がある人もない人も等しくこの社会の中で互いを認めたうえで共生(共に生きていく)していけるよう、それぞれの障害特性に配慮したうえで本人が主体的に社会参画していくよう、生涯を見据えた目標を定め、それを実現するための応援・援助をすると同時に、周りの社会そのものにも働きかけて、ともに住みよい社会を作っていくことにあります。現実には、まだまだ困難なことはたくさんありますが、私達も利用者さんと一緒に困難を乗り越えていくために全力で取り組んでいきます。
 
  今回設置される事業所「ル・リアン」は、成人(18歳以上)が対象ですので、まず大人としての本人を認めるところから始めなければなりません。そのうえで障害の状態により、その障害の特性に配慮して大人としての生活を作っていきます。その基準は現代社会での普通の社会生活です。特別な場所や、特別な将来を想定していません。普通の生活は何よりも本人が望んでいる生活だからです。私達はそれを応援します。

 事業所「ル・リアン」を設置する社会福祉法人『至誠会』の『至誠』は、「誠意を尽くし事にあたれば、どのようなことでも必ず動かすことができる」という意味からなっています。また、施設名(事業所名)の『ル・リアン』は「絆」「繋がり」「縁」の意味があり、
この場所から私たちの願いの輪が広がっていくようにとの思いが込められています。

 私達は法人名と施設名に込められた意味を大切に、利用する人が本当に社会へ羽ばたいていける「施設」を、利用者さんと利用者を取りまく周りの人達と一緒になって作りあげていくことが、施設を利用する利用者本人の将来を保証することになると思っています。

私達は次の事を常に問いかけながら、共に前に進みたいと思います。
1.人を人として大事にすること
1.人として生きる権利を奪わないこと
1.それを働くことで実現すること
1.そして共に生きていることを実感すること

 

ル・リアンを利用する皆さんへ


 できるだけそれぞれの状態に配慮しながらも、一人ひとりのかけがえのない人生の一時一時を大切にして、持てる力を精一杯出せれることが、誰もに与えられた生きる権利を保障することになると思います。

 私たちと同じように、「働く」ことは誰もが持っている欲求です。どのような「障がい」があっても、「働く」ことは人の「権利」でもあります。その共通した思いが、違いがあってもお互いを理解しようとする気持ちにつながります。自分のことを大切にすると同じように、他の人のことも大切にしようとする気持ちです。今を大事にするということは、将来を見据えたうえでの今でなくてはなりません。変わらないのではなく、変えていくのです。

 それを助けていくのが、親や周りの者の役割です。そして、主役は一人一人の利用者さんです。

 新事業所は今日までの一人一人が取り組んできたことの延長線上にある施設です。多くの人々の期待と願いが込められた施設です。それを実現するのは縁あってル・リアンに集まってきた、またこれからも集まってくる利用者さんと、それを助け、支え合う、私達自身の他を「思いやる心」です。人々が互いを認め合う共生社会が実現できるそんな場の一歩を踏み出したいと思います。

 岐阜市川部6丁目60番地にできた施設は施設名「ル・リアン」、行う事業は「生活介護」定員15名、「就労継続支援B型」定員10名の多機能型事業所となります。

 設置の目的に「知的障害を伴なった自閉症」の人の支援とありますので、その専門施設としての役割と機能は果たしていかなければなりません。

 現在の利用者の状態は様々ですが、障害が違ってもそれぞれの共通する願いは同じです。
私達は施設の基本方針を、『「働く」ことで人としての自己実現と、社会参画を成していく』としました。それを共通する一致点として利用者さんと一緒に前に進みたいと思います。

新事業所ル・リアンの一緒に取り組む仕事(作業)は

1. ベーカリー(パン・焼き菓子の製造販売)、喫茶の営業)(常時)
2. 布製カレンダーの組付け、箱詰め         (6月~12月)
3. 加工食品(ブライダル、仏事用)の袋詰め、箱詰め    (常時) 
4. 車に取り付けるエンブラム部品の組付け         (常時)
5. 再生紙製作(はがき、しおり)            (適時)


社会福祉法人 至誠会理事長/統括施設長 平下 博文